韋駄天ワークス

#1
監督:浜名孝行

連載1/4(7月15日 UP)

連載2/4(7月22日 UP)
連載3/4(8月9日 UP)
連載4/4(8月22日 UP)
浜名孝行 1歳前後
浜名孝行、1歳前後。
東京・千住のお家の前にて。



−どうやって監督になったんですか?

高校を卒業してすぐ亜細亜堂というアニメ制作会社に入って、4年間アニメーターとして絵を描いていました。絵を描くことが小さい頃から好きだったんです。その後、I.Gタツノコ(現:プロダクションI.G)に入社して、10年間ほぼアニメーター。最後の1〜2年くらいから、演出の仕事をやりはじめました。

−どうしてアニメーターから監督に?

アニメーターをしてて、限界が見えたというか。好きな仕事なんですけど、上手な人はたくさんいる訳で。10〜20年後の自分が想像できてしまったのが、キッカケです。

−思いついてすぐ転向したんですか?

いや、悩んでるときにプライベートでマンガを描いてみたんです。ストーリーもキャラクターも自分で考えて。30ページ位あったかな?働きながらだったんで、家に帰ってからトーン貼りとか嫁さんに手伝ってもらったりして。

−面白い作品に?

最近見てませんけど、……多分ダメです。(笑)若気の至りですよ。でも、描いてる時は絵だけじゃなくて、ストーリー作りとかカット割りとかが楽しかったんで、転向しても大丈夫かなって。あと、小学生の頃とかは中途半端に3〜4ページ書いたら飽きちゃったりしてたんで、最後まで終わらせたことが自信になりましたね。完成させる面白さがわかったというか。

−いつか見せていただけますか?

え〜っと。あははは。……うん、まぁ、いつか機会があれば。(笑)

−その時期に監督への道が?

マンガを描いたのが気持ちの上でのきっかけになりましたけど、具体的には『クレヨンしんちゃん』の演出とか絵コンテの仕事が監督の道の出発点です。その後しばらくして『メダロット魂』から、トランスアーツに移って仕事をするようになりました。

−はじめての監督作品は?

『グッドモーニングコール』っていう少女マンガがはじめての作品です。20分くらいのイベント用の映像を作りました。無我夢中でしたね。演出も絵コンテも全部自分でやって、「1本ぽっきりになってもいいや。でも好きなことしよう」って思ってました。

−どうでした?

今までアニメーターや演出家として、どんな作品でも監督の世界観に合わせる仕事をしてきましたが、それを今度は自分が作らなきゃいけないんで。どうやって自分のイメージ通りのものを作ろうかな、できたらいいなって思ってましたね。

−世界観はどう作ったんですか?

他の作品もそうなんですけど、人から求められてるものより、自分が面白いと思える方を選びますね。人によって好きなことって違うじゃないですか。だから、原作を読んで自分が良いなってところを突きつめたんで、少女マンガなのに男性目線だったりして。(笑)

−そして、次の作品が『テニスの王子様』ですね。

そうですね。『テニス』の原作はすごく人気のあるマンガで、「ココが人気」というのもハッキリしてたんですけど、それとは別に自分なりに楽しめる領域を探しましたね。自分が楽しんでないと、作品に表れないじゃないですか。

−はじめてのテレビシリーズ!

準備期間が短くてプレッシャーを感じる間もなかったですね。いろいろやれたし、失敗もあったけど勉強になりましたね。3年半続けて、映画もできて、大きな自信になりました。

−監督というお仕事とは?

どういう風なスタイルでいくか、最初から最後まで変わらない世界観をどう作るのかが監督という仕事なんじゃないですかね。




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